7月8日新聞各紙に遺言書を書くと相続税控除がされる「遺言控除」についてのニュースが掲載されました。概要は、次のようなものでした。
政府・与党内で遺言控除について、新設の方針を固めた。早ければ平成29年度の税制改正で実施を目指すという。
相続税は、遺産総額から基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人数)を引いた額に相続税率を掛けますが、更に、遺言控除も差し引くことになり、減税となります。控除金額は、数百万円とも言われていますが、具体的なことはこれから決まるようで分かりません。
「遺言控除」新設の趣旨は、遺言書作成を勧めることで相続に伴う争いを減らす。若い世代への財産の移転をスムーズすることなどがあると思います。
遺産分割協議が中々まとまらず、被相続人が住んでいた土地建物が空き家となり近隣に防犯上の迷惑を及ぼしたり、景観を損なったりすることが大きな社会問題となっています。こうした問題の解決策にもなると期待ができます。
また、遺言書作成の必要性を感じても実際に作成するケースが進んでいないのも事実です。遺言書作成の推進を後押しすることになるとも思われます。
一方、遺言書作成が必要でないケースも多くあります。このような方にとっては不公平となります。遺言控除には、遺言書の内容に一定の条件が付くことが予想されます。そこで、遺言書作成が必要ない方も遺言書を形だけ遺すということでは条件を満たさないことになると想定されます。
遺言書作成の普及には「遺言控除」が後押しをする役割を果たせるが、まだまだ改正には時間がかかるでしょう。また、そのような相続税改正が望ましいかも論議する必要がありそうです。
何れにしても、遺言書作成が必要なケースでの安心な遺言書の作成推進に当事務所としは尽力して行こうとあらためて思いました。
当事務所では、相続・遺言のご相談は初回無料で実施しています。気軽にご相談ください。
(信行)