遺言書は、高齢になってから書けばいい。
まだまだ若すぎる。そう思っている方が多いと思います。それでは、いつ書くのが良いのでしょうか?
元気な今、書くことをお勧めします。
なぜなら遺言書を作成するためには、遺言能力がなければいけないからです。遺言能力がない場合は、公正証書遺言でも無効になります。
法律上、15歳以上の者が遺言できます(民法961条)。また、遺言時に遺言能力を有していることが必要とされます。また、成年後見人であっても遺言ができます(973条)。なぜなら、意思能力・法的判断力があれば遺言能力があるとされ、本人の意思を最大に尊重すべきだからです。
意思能力があるかは、従来、公正証書遺言では、公証人に確認する以外になく公証人自ら関与した遺言が無効となることはほとんどありませんでした。近年では、長谷川式テスト・介護の際の医師の診断からも意思能力の判断ができるようになりました。しかし、判断は今なお難しい問題です。
以下は、公正証書遺言についての判例です。
有効とした判例
長谷川式テスト11〜17.5点、遺言者が周囲の人の話をよく理解して、適切な指示ができたことから、正常な判断力・決断力を保持していたとした。(名古屋地裁平9.5.28)
無効とした判例
長谷川式テスト不能、遺言者はアルツハイマー型老年痴呆により記憶障害・理解力・判断力の低下が著しい。単純でない遺言をする意思能力がない(主治医は、判断力・理解力を4,5歳程度と判断)と判断された。(東京地裁平4.6.19)
このように例え公正証書遺言であったとしても意思能力等で有効無効が争われることがあります。そこで、正しい判断ができる今こそ、遺言書を作成されることをお勧めします。
弊事務所は、遺言書作成に関する相談を無料で行っています。お気軽にお問い合わせください。
(信行)